■なぜ?カツオ豊漁 仮説②ずっと餌を食べていた“溜まりガツオ”説
勝浦漁港で、長年カツオの目利きを行い、カツオ料理を提供してきた関社長によると、5月のカツオは脂がのっていて秋の「戻り鰹」のような味わいだったそうなんです。
関社長の仮説はこうです。
本来、秋に「戻り鰹」は餌を食べて(南へ)戻ります。これが戻らずに三陸沖で餌を食べ続け、“溜まりガツオ”となったカツオが最近徐々に南下して千葉のあたりで獲れるようになったのではないか、だから脂がのっているカツオが獲れたのではないか?ということです。
ーー関社長は、カツオが溜まっている分、そこで脂がのったのではないかという読み
勝川氏:
関社長と同じようなことを北の方でカツオの水揚げが盛んな気仙沼の人たちも言ってたので、おそらく例年と違うことが起こっているんだと思います。
ーーひょっとしたら“溜まりガツオ”という状態が生まれ始めてるのかもしれないですね
弁護士 八代英輝:
魚の生態がそうやって変わってくることが良いことなのか悪いことなのか、心配になります。
恵俊彰:
本来のカツオの二刀流の楽しみ方というのは、春はさっぱりとした初鰹を楽しんで、秋には脂ののった戻り鰹を楽しむわけですけど、今はもう春の段階で脂がのり始めてしまうという。ただ、さっぱりしたカツオも戻ってきたとも言ってましたからね。
■カツオの生息域が日本に近づいている?
カツオの生息域にも変化が出てきているようです。元々、カツオは暖かい海で産卵していたんですが、最近は温暖化の影響もあって活動の生息域自体が日本に近づいている可能性もあるということなんです。
勝川氏:
地球温暖化が進むと、北の魚はどんどん北に行き、南の魚は日本に近づいてくることになるんですよね。そうなると今後カツオの分布域が日本に近寄ってくる可能性は十分あると思います。
■脂たっぷり!秋の「戻り鰹」も豊漁の可能性?
では、カツオの豊漁はいつまで続くのでしょうか?
勝川氏によると「初鰹が豊漁だと戻り鰹も豊漁の可能性が高い」。しかし一方で、「燃料高騰もあり、漁師さんたちも経営的に厳しい」といった懸念もあるようです。
勝川氏:
原油価格の高騰などもあり、やはり豊漁貧乏になってしまう。船が出せないとか、廃業がすごく増えてしまってるんですよね。皆さんぜひカツオをね、どんどん食べていただきたいと思います。
恵俊彰:
魚を食べて、日本の漁業を守っていかなければいけない
コメンテーター 水谷準:
バランスが凄く大事なのかなって思いますよね。カツオに限らず、魚が美味しく安く食べられたらいいなって思うんですけど、漁業の方は苦しむという事も学べました。
(ひるおび 2022年6月13日放送より)