■現在の円安「あまり、手の打ちようがない」「24年前のような危機感はない」


ーーもし、いま財務官だったら何をしますか?

あまり、手の打ちようがないし、正直いって「危機感」を持ってないんですよ・・・今の円安に対してね・・・はっきりとした「理由がある円安」ですからね。「日本売り」で円安になっているわけじゃないですから。ですから、「ドラスティックな行動」をとる必要は今の状況では「無い」と思います。

24年前はアジア通貨危機でね、日本経済も相当銀行がつぶれたりしたわけです。山一証券がつぶれたり、北海道拓殖銀行がつぶれたりだとか、ありましたから、そういう意味ではあの頃の日本経済は非常に危機的な状況にあったわけです。今と状況は違います。

ーー政府とはどういう相談があるのか?

やはり為替に関しては、財務官なり国際金融局長が大臣から委任を受けていると・・・(介入については)「好きにやらせてください」と事前に大臣に言ってますよね。

ほとんどの大臣が「それで結構」と。大臣は政治家ですから、なかなか為替の専門家がいることはないわけで、「専門家に任せるよ」と・・・だからいざというときはやってくれと、そういうことだと思いますね。

ーー改めて質問 いま危機感がそれほどではない理由は?

最大の理由は、(円安の)理由がはっきりしているから。アメリカが金融引き締め、日本が金融緩和をやっている・・・当然、ドル高円安になりますよね。ですからそういうはっきりした理由で円安になっているので、「日本売り」でね、円安になっているわけではないので、それでそんなに危機感は持っていないということだと思います。