原材料費の高騰などを背景に自転車の市場価格が値上がり傾向となっています。こうした中、リサイクル自転車を無償で提供する大分市の取り組みが注目されています。倍率が25倍を超える日もあるということで、その人気のワケを探りました。

大分市にある放置自転車の保管所には、撤去された自転車が300台以上置かれていました。中にはまだ十分使えるのものや電動アシスト自転車もあります。


(大分市都市交通対策課・三浦芳幸参事補)「警告札がありますので、条例に基づいて撤去させていただきますということで」

こうした放置自転車は処分の際、使える素材はリサイクルしたり、シルバー人材センターが引き取ったりしています。

(三浦さん)「かなり新しいものもありますし、乗れる自転車がほとんどですので使わなくなるのはもったいないと思います」

使わなくなった自転車は適切に処分すれば再生させることができます。大分市の福宗環境センター内にある大分エコライフプラザ。こちらでは再生自転車の無償譲渡が行われていて、毎回抽選が行われるほど人気があります。

(大分市ごみ減量推進課・松本沙希主事)「20台に対しておよそ500人から申し込みがありました。毎回かなり倍率が高いので、人気になってます」

大分市では清掃センターに持ち込まれた自転車をシルバー人材センターに委託して修理を行い、月1回、大分市と由布市の市民を対象に無償譲渡しています。

再生工房では自転車を分解し、必要に応じて部品を取り換えます。状態によっては、1日で修理が終わらないものもあるそうですが、1台1台磨いて次の利用者に渡せる自転車に仕上げています。


(大分市シルバー人材センター登録スタッフ・古長 満さん)「仕上げた自転車があんなに売れるのは喜びですね」

大分市によりますと4月以降、毎月、20台の出品に対して応募は400を超え、倍率は20倍以上となっています。種類も多く幅広い年齢層に利用されています。

大分市は再生自転車の取り組みを通じてリサイクル意識の向上を目指しています。

(松本さん)「そのままごみとして処分したり、乗らない状態で家庭に置いたりしておくのではなくてこういう取り組みを知ってもらい、ぜひ持ちこんでもらえればと思います」

一方、自転車販売店ではリサイクル自転車を使う場合の注意点について次のように話しています。

(サイクルショップコダマ・児玉憲明社長)「リサイクルで一番大事なのは整備です。整備士の資格を持った人が整備したものかどうか確認の上、リサイクル商品を求めた方がいい」

自転車の価格は原材料費の高騰などを背景に値上がり傾向となっていて、リサイクル市場が今後勢いを増す可能性があるそうです。