児童8人が犠牲となった大阪教育大学附属池田小学校の事件発生から、21年がたった。当時7歳の酒井麻希(さかいまき)ちゃんを失った父親の肇さんは、この5月に新たな衝撃を受けた。米・テキサス州の小学校で発生した銃乱射事件だ。児童19人、教師2人の計21人が殺害された。酒井肇さんは、小学校が現場となった惨劇に「うんざりした」と語る。現場の教室にいた女子児童は連邦議会で「犯人は先生を撃ちました。『おやすみ』と言って、先生の頭を撃ちクラスメートを撃ちました」などと当時の凄惨な様子を語り、同じような事件が再び起きないよう「学校を安全にしてほしい」と訴えた。
銃乱射し13人死傷の「コロンバイン高校」を池田小事件の遺族が訪問 きっかけは"励ましの手紙"
同様の事件は全米各地で繰り返されてきた。1999年にコロラド州・コロンバイン高校で発生した銃乱射事件では、犯罪グループに属していた男子生徒2人が爆弾を爆発させ、銃を乱射、生徒12人と教師1人が死亡、27人が重傷を負った。酒井肇さんは、2002年に現場となったコロンバイン高校を訪問している。附属池田小の事件の後、コロンバイン高校の遺族から励ましの便りをもらったことがきっかけだった。
「事件で、子を亡くした親として出来ることは何か」と自らに問い続けた酒井さんの結論だった。現地では、同じような辛い経験をした遺族が酒井さんを迎え、「事件現場」である学校をどう残すべきかを話し合った。

















