「打者としては出場」 肘に負担は?
実際に野球でどんなふうに肘を使っているのか、少し井上さんに解説をしてもらいます。肘というのはピッチャーにとってはよく使う部分なんですね。
井上貴博キャスター:
そうですね、ピッチャーというのは基本的に下半身そして上半身、体全体の力を解放して投げるというところになります。その解放するときに重要なのが、手首のスナップを効かせること。その手首と繋がってるのが、肘の内側の筋肉と腱なんです。
ですので、1球投げるごとに全てのダメージは肘に蓄積されるんですね。これは子どもの場合は骨などがまだ成長しきっていないので、より痛めやすい。だから高校野球などでも「投げすぎに気をつけましょう」と言われています。
これがバッティングになると、大谷選手は左バッターですので、打つときは左肘の方がダメージを受けやすい。右はダメージを受けにくいとは言われていますが、衝撃はゼロではない。バットを押し込むのが左手になるので、ダメージを受けやすいのは左肘になるので、右肘は大丈夫じゃないか、と言われてますが、今までの野球の考え方からいうと、この状況でバッティングするというのはすこし考えられないとは思います。
どのように治療していくのか 過去の例を見ると…

山内キャスター:
前回肘を痛めたときにも、投手として登板はしませんでしたが、打者としては残ったという経験もあるから、ということも考えられるんでしょうか?今後についてミナシアンGMは「セカンドオピニオンを受けて様子を見る」としています。
このセカンドオピニオンをどこで受けるのか。メジャーリーグ取材歴28年、MLBアナリストの古内義明さんは「週末に予定されているニューヨーク遠征と関係があるのではないか」と見ています。

MLBアナリスト古内義明さん:
「ニューヨークにはスポーツ医学の権威がいる。そのドクターにセカンドオピニオンを求めに行く可能性もあるのではないか」
日比麻音子キャスター:
でもここまで誰もやったことがない二刀流を、偉業を成し遂げてきた大谷さんですから、医師側の判断でも非常に難しいですね。
産婦人科医 宋玄美さん:
二刀流で投げて打つ、というのでいろいろと未知数な、過去の症例がすごく少ないのではないか、というふうに想像しますが、今年の三冠王もいいですが、やはり大谷選手のような何十年に一度の選手には、今後の選手生命がなるべく長く全うできるように判断したいところではないかなと思いますね。