今大会、日本勢メダル第1号となった男子35km競歩の川野将虎(24、旭化成)。前回の世界陸上オレゴンでは優勝まであと1秒の銀メダルで悔し涙を流したが、今大会の銅メダルの胸中を独占インタビューで聞いた。競歩の日本勢は5大会連続のメダル獲得となった。

白熱のレース展開

Q.プレッシャーはあったか?
川野 将虎:

やっぱり世界陸上ロンドン(2017)から日本の競歩はメダルの獲得を積み上げているので、本当に強い競歩というのを崩してはいけないと強い気持ちを持って今回、臨みました。

Q.気温26度、湿度65%をどう感じた?
川野:

スタート時点はそこまで暑さは感じなかったんですけど、徐々に暑くなっていく難しいコンディションの中でのレースでした。

Q.15km地点でA.キニオン(30、フランス)がまずは抜け出しが…
川野:

他のベテラン選手と一緒に集団でレースを進めたいという思いで、まずは冷静に進みました。

Q.そのキニオンが警告3回で失格したが、レース中に分かるのか?
川野:

沿道からコーチ(現在も母校の東洋大に拠点を置き指導を受ける酒井瑞穂コーチ)、日本陸上連盟(陸連)のコーチから指示があるので、そこでアドバイスと状況を聞きながらレースしているので、そこは冷静に進めることができました。

Q.金メダル争いではB.D.ピンタード(28、エクアドル)、A.マルティン(29、スペイン)に川野選手も含めて3人になったが、どういう心境だったか?
川野:

昨年の世界陸上オレゴンで銀メダルを獲得して、今回もメダルを絶対に獲得したいと強い気持ちを持っていたので、ここではもう絶対に離れないという強い気持ちを持ちつつ、フォームに関してはしっかり冷静に整えて歩きました。

Q.集団状態でコーチから「行けたら、行きなさい」と声をかけられ、前に出たのはどういう思いだったか?
川野:

やっぱり前の選手もいたので、しっかりここで一回ちょっと自分が仕掛けてみたいなと思って、仕掛けてみたのです。ただ、ここで出たらメダル争いにはまだ勝負できないなと思って、一旦引くことを選びました。

Q.優勝はマルティン。20km競歩でも優勝しているが、どのように感じたか?
川野:

スペインの選手、他にもヨーロッパ勢の選手で20kmと35kmのレースを兼任で出場している選手は多いのですが、中4日間でこれだけのパフォーマンスが全員出せるというのは本当にタフな選手たちです。相当、技術練習、スタミナ練習を積み重ねてきたんだろうなと思っています。