■第19回世界陸上競技選手権大会 第7日(日本時間26日、ハンガリー・ブダペスト)

女子やり投決勝で、北口榛花(25、JAL)が大逆転で金メダルを獲得。北口は4位で迎えた最終投てきで66m73をマークし、トップに立った。トラック種目では日本人初、フィールド種目では女子初の金メダルの快挙で、前回大会の銅メダルに続き、2大会連続で表彰台となった。

最終6投目にオーストラリアのM.リトル(26)が63m38で2位に浮上。3回目に63m00をマークしていた北口は4位で最終投てきを迎えた。自身が持つ日本記録も6回目にマークしており、最終投てきに強い北口が投じた槍は、コロンビアのF.D.ルイスフルタド(32)が1回目に投じた65m47を越える66m73のビッグスロー。記録が表示されると北口は飛び上がって喜び、客席のシェケラックコーチと抱き合った。

金メダルを胸にさげた北口は「興奮し過ぎちゃってよくわかってないんですけど最後の投てきで自分が投げられるって信じて良かったなと思いましたし、5投目までで終わっていたら本当に後悔すると思っていたので必死に投げてよかったなと思います」。「今日だけは世界で一番幸せです」と満開の笑顔を見せた。

これまでフィールド種目では2011年テグ大会で男子ハンマー投の室伏広治が金メダルを獲得しているが女子はトラック・フィールドを通じて北口が初。マラソンではこれまで浅利純子(1993年シュツットガルト)と鈴木博美(1997年アテネ)が金メダルを獲得している。

北口は7月16日に行われたダイヤモンドリーグ・シレジア大会で、それまで自身が持っていた日本記録を1m以上更新する今季世界最高の67m04をマーク。世界ランク1位で今大会を迎え「出来れば決勝で少しでも日本記録をまた更新できたら」と話していた。

北口は今大会のメダル獲得によりパリ五輪の出場権も獲得した。

【北口の投てき】
1回目 61m78
2回目 61m99
3回目 63m00
4回目 62m36
5回目 62m68
6回目 66m73

【女子やり投決勝 結果】
金メダル 北口榛花 66m73
銀メダル F.D.ルイスフルタド(コロンビア)65m47
銅メダル M.リトル(オーストラリア)63m38