学問の自由が奪われた学徒出陣から80年。戦時中に京都大学に通っていたある学生の日記が約100冊見つかりました。小さな字でびっしりと当時の出来事などが書かれています。学徒の思いはどのようなものだったのか、日記から心の軌跡をたどりました。

「戦争とは何であったのか」当時の日記からたどる『心の軌跡』

 「国家の危機を思い、ああまでして飛び込んでいったのに、その真相は何であったのか」
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 戦後、書かれた日記です。書いたのは2021年に98歳で亡くなった秀村選三さん。亡くなった後、家族が見つけた日記からは、青年だった秀村さんの揺れ動く心の軌跡が読み取れます。
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 (息子 秀村研二さん)「書くことによって納得していくといいますか、語りたくもなかったのかもしれませんけれども、悩み、葛藤している姿は十分に日記に出ていると思います」

 戦争とは何だったのか。秀村さんの日記が約80年の時を超えて私たちに語りかけます。
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 秀村さんが通っていたのは京都大学。1942年、入学した時の思いをこうつづっていました。

 【秀村さんの日記】
 (1942年8月27日)「京都帝大より合格通知あり」
 (1942年8月29日)「一生をかけての学問、土台をしっかり築こう」