出陣へ強い決意「ペンを捨て剣を執る」
京都大学には、その当時の絵が残されていました。
(京都大学 西山伸教授)「こちらの絵画、学徒出陣図と言いまして、1943年11月20日に京都帝国大学の農学部グラウンドで行われた出陣学徒の壮行会の様子を描いた絵ですね」
徴兵された学徒は全国で10万人以上とも言われ、京都大学では4500人に上る学徒が出陣したとされています。
当時の大学トップの羽田亨総長も壮行式で学生を激励していました。
(壮行式告辞 羽田亨総長(当時))「筆を投じて戎軒を事とする(筆を捨てて戦場に行くこと)は国民当然の覚悟であり、今や実にその時に際会したのである。生死を超脱して、必ず敵に勝つことを期せねばならぬ」
(京都大学 西山伸教授)「学徒出陣のときには正面を切って反対した大学は1つもありません。絶対ないです。総長ご自身のお子さんも学徒出陣で軍隊に行っていますので、総長自身の心の中を慮ると、いろいろ複雑な思いがあったんじゃないかなと想像しますけどね」
世間の流れにのまれるように秀村さんは強い決意を固めていました。
【秀村さんの日記】
(1943年10月3日)「ペンを捨て剣を執る」
「俺は飛び込んでいこう、そうだ、若き血液を国家にささげよう」
(1943年10月23日)「もう決して大学に帰る日はない。今の時代、学問も何の役にも立たぬ」