心情の変化「愚図愚図していれば国滅ぶ」
しかし、秀村さんが入学したのは太平洋戦争が始まった翌年。学生らも徴兵されるべき、という世論は強まっていて、秀村さんの心情は変遷します。
【秀村さんの日記】
(1942年10月24日)「日本は危機に立っている。この現実のこの烈しさにひとり経済史の勉強とはなんだ。愚図愚図していれば国滅ぶ」
(1943年1月10日)「こんな時代に大学に学ばせられているということを余程考えねばならない」
そして、入学から約1年後の日記に書かれていたのは…。
(1943年9月13日)「学生の徴兵猶予停止」
大学生らの徴兵が決まります。1943年秋、日本軍が敗戦を繰り返す中、不足する兵力を補うため、学生らが陸海軍に入隊することになりました。学徒出陣です。