繰り返す“市民が犠牲”の戦争 どのように戦争の記憶を伝えていくか
当時、どのように八王子へ戻ったのか覚えていないという榎本さん。ただ、襲撃現場周辺で見た光景が、今でも忘れられないといいます。

榎本さん
「死体が置いてあったのを見た。私はいっぱい積んであったような気がしたけどね。そのあと3年ぐらい私、涙っていうのが出なかった。だから、どうにかなっていたのね。その後のことは、全然分からない」

インフラ施設を狙った攻撃により、多くの民間人が犠牲になる現実。それは、現代でも繰り返されています。
2022年4月、ウクライナ東部にある駅にロシア軍のミサイルが着弾。50人が死亡しました。

「ロシアがもたらした世界だ。くそくらえ」
当時、駅には町から避難しようとする数千人の民間人が集まっていたということです。
小川キャスター「今、まさにウクライナで戦争が起きています」
榎本さん「もう、あれだけは『止める』ってやってくれる人はいないのかしらって、毎日そればっかり思っているもんね。戦争なんて1秒でもいいから早くやめてもらいたいって、ただそれだけ」
戦争の記憶をどのように伝えていくか。
高尾駒木野庭園では列車襲撃など、高尾山麓の戦争の歴史を語り継ぐパネル展が開催されています。

パネル展を訪れた男性
「八王子で、しかもピンポイントで電車に向けて戦闘機が銃撃したって全然知らなかった。なんでそういうところまで攻撃しないといけないのかなって」
パネル展を訪れた女性
「こんな田舎で、普通の人たちを狙うっていうのは…戦争なんですね。嫌ですね」
列車襲撃を体験した榎本さんは、何度も平和の大切さを口にしました。
榎本さん
「本当に平和になってもらうのが一番良いことだもんね。戦争をすると、こういう大変なことだと若い人に教えないとね」