「戦争だけはしてはいけない」10代で経験した戦争は今でもつらい記憶
清里さんと同じく10代で戦争を経験した妻の美重子さん。それは、今でもつらい記憶として刻まれています。

美重子さん
「住友の要人さんの奥さんはよく着物を持って『お米と替えてください』って、農家に泣くようにいってきていた。食べるものはないし着るものはない。もうあの戦争だけは言いたくもないし思い出したくもない、あんなばかな戦争は。戦争はとにかくどこの国だって戦争していいことは一つもない。戦争だけはしてはいけない」
戦後78年、当時の戦争を知る人は年々減少の一途を辿る中、多田さんは過去の事実を明らかにしていくことが、この国の未来の道しるべになると信じ、研究を続けます。

多田さん
「戦争がどれだけ非経済的で非生産的ってことはもうわかっていると思う。だけど具体的根拠と具体的な戦争を否定する能力というのか、それらをちゃんと分かっていないと、われわれはまた同じ轍を踏む」