「究極的には被害者のために何ができるか」

イエメン政府に捕えられ、捕虜となったフーシ派戦闘員は数千人にも及ぶ。南西部の町タイズ。町の北と東をフーシ派が支配している。

反政府武装勢力・フーシ派の支配領域の近く。今もスナイパーに狙撃される危険性がある。多くの住民が去ったが、新しい家を見つけることができず、留まり続ける人もいる。

タイズの住民
「100人以上が撃たれました。あっちは地雷でいっぱいです」

政府側の支配領域では人々の生活も垣間見えた。旧市街地の一画。誰でも武器を買うことができる店がある。内戦以降、武器の種類が大きく増えたという。

長引く内戦の中で、フーシ派から逃げ出した人たちもいる。彼らはフーシ派の投降兵。永井さんは彼らに、フーシ派の攻撃で家や家族を失った被害者への食料配布を手伝う提案をした。

永井陽右さん
「こういうコミュニティーを助ける仕事に誇りを持って」

フーシ派の投降兵
「自分たちの過去をやり直しているように感じます」

この日、620世帯分の食料を配布する。フーシ派の地雷で手足を失った男性も食糧を受け取りにきていた。

永井陽右さん
「究極的に被害者側の人々に彼らが何ができるかはすごく大事なことで、償いじゃないですけど、ある種、償い的なことも彼らが少しずつ考えなきゃいけなくて」

フーシ派の投降兵
「人々の役に立てて嬉しいです。暑さで疲れたかって?人助けができたので疲れも吹き飛びました」