国家間の戦争が大きな関心を集める一方で、同じ国の中で民族が争う「内戦」は、報道される機会も多くありません。8年の内戦が続くイエメンで、戦争捕虜の支援に取り組む日本人青年を取材しました。

「足の裏を焼きドリルで穴を…」反対する市民には拷問も

内戦が続くイエメン。護衛を乗せた武装車とともに山道をゆく一人の日本人がいた。NGOアクセプト・インターナショナルの代表、永井陽右(32)さん。

永井さんは対岸の国ソマリアで長年、イスラム過激派組織にいた囚人の社会復帰に取り組んできた。彼らにイスラム教の再教育や職業訓練を行うことで、テロと紛争の解決を目指している。

NGOアクセプト・インターナショナル 永井陽右さん
「難民への支援だとか、保健衛生、あと食料を配るとか、そういう緊急人道支援って結構やり手が多いんですけど、それらのやっぱり一番巨大な原因は終わらない武力紛争」

ソマリアでの経験を活かし、2年前からイエメンでも活動をはじめた。永井さんが活動の対象とするのは反政府武装勢力・フーシ派の戦闘員だった戦争捕虜。

イエメンは2015年から内戦状態にある。国土はイエメン政府、フーシ派、アルカイダ系などによって分断された状態だ。

中でもフーシ派はイエメンの和平において、大きな障壁となっている。「アンサール・アッラー」、神の支持者という組織をつくり、現在は首都サナアも支配下に置く。フーシ派に反対する市民への誘拐や拷問も行っている。

フーシ派被害者の会 ジャマル・モアメリさん
「私を鉄の椅子にくくりつけて、丸めるように縛りつけました。そして左の足の裏を焼いてドリルで穴を開けるのを私に見せて拷問を楽しんでいた」