ロシア軍による軍事侵攻を受け、ウクライナから新潟県小千谷市に避難してきた夫婦が9日、会見を開きました。避難の受け入れに感謝するとともに「戦争には正義がなく、怒りを感じる」と、胸の内を明かしました。
小千谷市で初めての会見に臨んだムタルさん(36歳)とイリナさん(37歳)夫婦。来日してから勉強した日本語でさっそく自己紹介をしました。

【ムタル・サリフさん】「初めまして、私はサリフです。医者です、外科医です。サムライ映画が好きです」
【イリナ・シェフチェンコさん】「初めまして、私はイリナです。ウクライナから来ました。小千谷とすしが好きです。よろしくお願いします」

ウクライナ東部の都市・ドニプロで暮らしていたガーナ国籍の夫・ムタルさんとウクライナ国籍の妻・イリナさんは、ロシア軍による侵攻が激しさを増した3月に、隣国のスロバキアに避難しました。しかし…
【イリナ・シェフチェンコさん】「避難所ではその日その日を生きるので精いっぱいで、自分たちがあすどうなるかも分からない状況でした」
避難先で見つけたのは、ウクライナからの避難民を受け入れるという小千谷市からの情報。日本に身寄りのなかった2人は「おぢや避難民支援の会」を頼り、日本に渡りました。

会見でイリナさんは「戦争には全く正義がなく、怒りを感じる」と心の内を話しました。ウクライナに残る父親と、スロバキアで避難を続けている母と姉の身を案じています。
【イリナ・シェフチェンコさん】「毎朝、毎晩、家族と連絡を取り合っています。家族との連絡は私にとって一番大切なものです」
2人は今後、支援の会のサポートを受けながら仕事を見つけ、自立した生活が送れるよう進めていくということです。
