■特例法に疑問「自分のからだのままでその人らしく生きられるはず」
性別変更のために手術を必要とするのはおかしいと訴えるのは岡山・新庄村に暮らす、47歳の臼井崇来人さん。からだは女性で、こころは男性だ。

2016年から、幸さんと、幸さんの息子と3人で暮らす。この春、中学生になった息子にとって、崇来人さんは父親だ。
ーーお父さんは男の人だなと思う?女の人だなと思う?
崇来人さんの息子(中学1年)
「男の人だなと思いますよ、見た目的にも。聞くまで本当に気づかなかったしね。最初はどうか知らないけど」
崇来人さんは性別変更のために、からだの負担が大きい手術をする必要はないと考えている。かつてはからだを男性に近づけるホルモン治療を受けていたが、副作用に悩まされてきた。
崇来人さん
「ホルモン注射を1年半ほど受けました。1年経たないくらいから副作用があって。筋肉のこわばりと、頭に血がのぼるというか、すぐにかーっとなる。健康の方が大事だという価値観とか、基本的には自分のからだのままで本当はその人らしく生きられはず」
生殖腺を残しているため、戸籍の性別は女性のまま。法律上の夫になることができない。
2016年、崇来人さんは手術無しに性別変更を認めるよう、家庭裁判所に申し立てた。特例法は、個人の尊重を規定した憲法13条などに違反していると主張。最高裁まで争ったが2019年、申し立ては退けられた。
しかし、最高裁の決定では補足意見のなかで、特例法が制定された当時と比べると性別を変える人の数も増えており、社会の認識の変化を考えると憲法違反の疑いが生じていると指摘した。
崇来人さん
「日本の司法がこういう結果を出して前向きだなと思ったけど、世界のコメントをチェックしたら“日本は遅れてる”といったコメントが多かった。“人権侵害甚だしい”みたいな」

















