全国有数の激戦区、神奈川と大阪は、ともに甲子園を経験した選手たちが激突した決勝戦となった。自分たちを信じて、一人一人が確実に、冷静に役割を果たし続けたチームに、勝利の女神が微笑んだ。神奈川は、2年連続の出場を狙う横浜と、センバツ大会に続く甲子園を目指す慶応の決勝戦。慶応が先制するも、横浜が逆転、5対3と2点リードのまま9回を迎える。
8回には、3者連続三振を奪うなど、終盤にきて、調子を上げる横浜のエース、杉山遥希投手。しかし9回、思わぬ形でピンチを招く。ダブルプレーを狙ったショートのベースカバーが、ベースを踏んでいないと判定されて、ノーアウト1塁2塁。送りバンドで1アウト2塁3塁となって慶応のスラッガー、渡辺千之亮選手を迎える。同点覚悟も、長打やホームランだけは、避けなければならない場面。しかし7球目の変化球が甘く入ってしまう。この一球を、渡辺選手が、起死回生の逆転スリーランホームラン。苦しい状況でもあきらめずに、つなぐことに徹した慶応。逆に勝利が目前に見えたことで、勝負をすこし急いでしまった横浜。決勝戦だからこそ、うまれた大逆転劇だった。
◎甲子園の組み合わせ:6日目 慶応ー北陸・福井














