昨夏、今年のセンバツと連続して甲子園に出場した、兵庫の社は、追い込まれた状況での冷静な判断が光った。明石商との決勝戦の9回、同点に追いつかれ、なおも1アウト満塁のピンチ。ここで明石商は、スクイズを試みる。2球続けての三塁側へのきわどいバンド。しかし、社の選手たちは、冷静に打球を見極めた。急いで処理しようとした投手に対して、内野陣が大きな声でこれを阻止。結果は2球続けてのファール。このピンチをしのいだことで、サヨナラでの勝利を手繰り寄せた。

滋賀の近江は、甲子園で多くの経験を重ねてきた選手たちが、大一番でチームを後押しした。決勝戦は、中盤で大きくリードを奪うも終盤まさかの展開。実力校・滋賀学園の強烈な追い上げの中でミスも出て、名将・多賀章仁監督も「負けも覚悟した。」という内容で1点差まで詰め寄られる。

それでも、数多くの修羅場を経験している選手たちは、決して慌てなかった。昨年からレギュラーの清谷大輔選手や横田悟主将を中心に、落ち着いて下級生を盛り上げていく。その声にこたえるように、下級生も実力を発揮。最後は、2年生の北川凌佑投手が投げ切って、5年連続、滋賀大会の優勝を果たした。

◎甲子園の組み合わせ:3日目 近江ー大垣日大(岐阜) 4日目 社ー日大三・西東京