第3章 地元の腹の内 吉村知事の発言が急変
開催地・大阪に目を移そう。「万博のパビリオン建設に必要な、大阪市への申請が1件も出ていない」、各社の報道が出だしたのは、今年6月末ごろからで、7月に入ると一気に報道が過熱し「万博は開催できるのだろうか」というムードが広がりはじめた。そもそも博覧会協会や政府は2021年、会場整備スケジュールとして、次のように想定していた。
・2022年中 建築確認申請など
・2023年4月 各国に土地の引き渡し、順次工事
・2024年7月 建築工事終了
(2021年3月1日 内閣官房 大阪・関西万博関係府省庁連絡会議資料より)
つまり今の時期(23年8月)は、各国のタイプAパビリオンの建設工事が鋭意進められているはずだった。しかし、2022年中に終わらせるはずだった「建築確認申請」自体が、2023年の半分過ぎても出ていなかったわけである。こうした中、7月4日、吉村知事、松井一郎前大阪市長、角和夫阪急阪神HD会長、それに建築家の安藤忠雄氏が、極秘裏に大阪市内のホテルで会食。資材の高騰や建設業界の人手不足などについて話し合った模様だ。
そして、”極秘トップ会談”後に大阪府の吉村知事は、「パビリオン建設を進めている」ことを強調する発言を述べている。