盆踊り 冨二さんの音頭は聞こえども...

日が暮れて、地区に響くのは、盆踊りの音頭。あの、冨二さんの声です。数年前に録音されたものです。

(盆踊りの主催者)
「何人かおりましたけどね、名人が。もう最後の名人が冨二さん。3~4年前ぐらいまで櫓に立ってましたよ」

冨二さんの音頭で、地区の人たちが集まります。帰省してきた子や孫の世代です。

(小澤さん)
「踊れなくなっても、座ってずっと見てくれてたおじいちゃんおばあちゃんがいっぱいいたんですけど、利夫さんもいないし、トヨさんもいないし、カズエさんもいないし、いっぱいいない。晴敏さんもいないし。いないことを考えるとちょっと寂しくなってくるんですけど」

「冨二さんね、盆踊りの音頭取るの上手だったしお好きだったから、生で聞けるときがあれば良かったなと思いますけどね」

その冨二さんは...うたさんが島の福祉施設を訪れました。

(小澤さん)
「今日からお盆です、冨二さん」
(冨二さん)
「今日から盆ですか。あぁそうかな。踊らないかんな。またええ声で音頭取らんといかん。あんたと一緒に踊ったら楽しいで」
(小澤さん)
「そうね~」

(冨二さん)
「あんたのような素敵な人がおるから、助かりますわ」
(小澤さん)
「よかった、今日は調子が良さそうですね。じゃあまた来ますね」
(冨二さん)
「はいどうも」