ひと夏を終え 二人が亡くなった豊島

ひと夏が過ぎた豊島。

急に目が見えなくなった敏さんは、視力が少し戻り、今でも1人で暮らしています。

大工の棟梁・敏喜代さんは、診察の半年後、亡くなりました。

そして、冨二さん。10月に肺炎で亡くなりました。小豆島で行われた葬儀に、うたさんも参列しました。

(小澤さん)
「亡くなられる前日に『もう私は明日逝きます』って。天寿を全うしたね、大往生だねっていう、みんなそういうふうに仰ってるし、ご本人が一番それを望まれてたからよかったかなと思う」

葬儀を終え、冨二さんのいた部屋に一人たたずむ、妻のサツ子さんです。

(サツ子さん)
「一緒やったら良かったんですけど、こう早く死ぬると思わなかったですわ」

「だけどうちのお父さん、何が良かったから、いいところいきょーるでしょ。ようしてくれました。寂しいけどもしょうがないですもんね」

「私も、またじきに後を追っていきますわ」

生き合って、死に合う島。うたさんは島の命に寄り添い続けます。

(8年経った豊島は ...第7回に続く)
(8年後の英子さんは...第8回に続く)