サッカー元日本代表の本田圭佑(37)が1日、千葉市内で行われた「4v4 U10」10歳以下サッカー全国⼤会創設発表会見に出席した。
「4v4 U10 」とは、本田自身が発起人として創設された10歳以下の子どもたちを対象にした全国大会で、4対4、10分1本勝負、20秒以内にシュートを打つ、監督・コーチがベンチに存在しない等、これまでに無い、新しいルールのサッカー。⼦どもたちの⾃主性を⼤切にし、戦術や交代などを⾃らが考えながらプレーすることが⼤きな特徴。
大会創設の理由は「U12の大会で全員がプレーできるけど、考えてみれば小学生の世代って1学年違えば、結構な体格の差になる。U12の大会はある種、5、6年生の大会。なかなか小3、4が割り込んで活躍できる大会ではないと思って、U10の全国大会を作ってみようと思った。この大会を通じてサッカー選手の育成はもちろん、1人でも多くのユニークな将来日本を背負っていくような人材も輩出できれば、発起人として嬉しいことはない」と語った。
会見後行われたエキシビションマッチでは、子どもたち相手に本田は全力プレー。
「どんどん子どもが自ら上を目指して、夢を持って夢に向かって全国大会で頂点を目指して頑張ってほしいと思っています」と子どもには夢を持ってほしいと熱弁。
「何でもいいわけじゃないですか、夢は。こんなワクワクする。今の自分では到達することができないものを目指す、志す。ワクワク感をなぜ放棄してしまうのか。子供は純粋なので、機会さえ与えれば、誰かに憧れ、自信・成功体験さえ提供すれば、良い意味で勘違いするのが子供。今大会を通じてチャレンジをしてくれる人が1人でも増えたらなと思う」と夢を持つことの重要性を語った。
本田自身の夢は?と問われると「小さいところで言うと2年プレーしてない。敵はこの膝(昨年10月に膝を手術)なんですけどケガに打ち勝って、どこかの1部リーグで点をとる。点を取らないと意味がないと思っているので。もちろんアシストもする」
2021年11月までリトアニア1部・スドゥバでプレーしてから約2年ピッチから遠ざかっている。ケガから復帰した先に見据える夢は「今思いついたので本気にしないでほしいんですけど、パリ五輪もあるので、東京は選ばれなかったですけど、切り取り方では誤解を生みますけど、そういうところも、プレーして活躍すれば可能性があると思っているので、目先はとりあえず復帰して点を取る。ということは、やりたいなと思っています」1番近くにある夢と、その先ある大きな夢を語ってくれた。
【エキシビションマッチ後 一問一答】
ーエキシビションマッチを振り返って
(子どもが)大人とやった時にどうプレーするかなというところまで、自分の中でイメージしてプレーしていたので、キツかったですけど、1点差勝負の時とか、交代をするタイミングとか、戦術とかルールが多いので、引くのか前から行くのか、キーパーが上がるのか、上がらないのかとか、得点狙いに行くところも、2点差狙うか、3点差狙いでいくか、戦術が子どもたちの中でも、発展していくんだろうなと。見ていて感じたのは、自分が試合をどう戦うかということに慣れていないので、それを見ている側としては新鮮だった。今後、子どもたちが2試合目をやるときはどう変化していくのか、10試合・20試合。30試合やったときに、どうなっていくのかはものすごい楽しみですね。交代するタイミングとかは躊躇しているし、キーパーもどうしていいか分からない。声かけもメディアのみなさんがいたから緊張していたというのはあるが、もっと自分を出して行く姿は見てみたいなと思いましたね。
ー本田選手が喜ぶ姿も印象的だったが
あれはメディアが来ていなかったらやっていなかったですね(笑)関係ないところで言うと、今は足がまだ治っていないので、それを確かめるプレー。今は8割くらいジムのトレーニングが多くて、2割が外でボールが1割くらいなんです。ボールの感覚とかも全然戻って来てないですし、徐々に戻しながら、フィジカルを作っているところなんで、今日やっていて、痛かったシーンがなかったので、ウォームアップはまだ痛いんですけど、だいぶよくなっている印象があります。
ーボールでのトレーニングはこれから
1か月後にはプレーできるように仕上げていきたいと思っているので、そのペースでやっています。
ーSNSでは9月ごろをめどに、プレーできるようにという話もあったが
(復帰するリーグは)ヨーロッパは考えてないです。それ以外であれば、興味があるオープンなマインドで、オファーが良いところがあればと思っています。
ーなでしこジャパンについては
まだちゃんと1試合を見たことはないんです。ハイライトしか見ていない。ハイライトを見る限りは、今回は楽しみだなと。もちろんアメリカ、オーストラリア、他にもいくつか強いところがあると聞いているので、なんとかギリギリの勝負になると思いますけど、注目したいと思っています。次はノルウェーですよね?土曜日かな?楽しみですね。見たいと思っていますけど、見れなかったとしてもハイライトの映像を見たいと思っています。
ー「諦めの悪い子ども」という言葉が印象的、本田さんも諦めの悪い子どもだった
みなさんもそうでしょ?今の世代はね悪いとは言わない。諦めの悪い子とか根性とか、ハングリーとか、あまりこういった言葉は身近に生活している人って減っているんじゃないかなと思うので、僕は逆に今言ったワードを身に着けている子ども・大人は今後、希少価値が高くなって、より社会に置ける重要性は増していくと思っている。これだけマジョリティが根性じゃないって言っている今こそ、根性だと思っていますし、負けず嫌いとか、そういうのが大事になってくるんじゃないかと思います。
ー4対4の意味は?
正直言うとルールが今後変わっていく。絶対これと思って確信を持って現状のルールにしているわけではなくて、上手くいくか分からないルールと大会の仕組みはあって、でもやらないとだめ。今進めていますけど大会の仕組みも微妙に修正していくことは考えています。ただ4対4に関しては、フットサルやっていて微妙に多いなって思っていた。特に大人がやるとめちゃくちゃ多く感じる。だからめちゃくちゃ上手い人はいいんですけど、サッカー選手ってそんなにフットサルが上手くないので、そういう人がやると結構大変。あんなに狭いところでというのがあって、子どもに対してもプレー時間伸ばしてあげたいとか、もうちょっとスペースを作ってやらしてあげたい。スクールとかでやっているときは、狭いスペースでやっている。この逆をいくことをやらせたいってことで、あえて普段やらないであろう競技性をもたしてやっています。
ーエキシビションマッチに参加していたカレン・ロバート選手について
最後にいつカレンとプレーしたかは覚えていないですけど、カレンって言っていますけど、一応先輩なんですよね(笑)先輩ね。色んな良い思い出があり、むしろ僕よりも先に活躍していたので、学ぶことが多かった彼と久しぶりにプレーして、意外にシャープで、もうちょっと太っているかなと思ったけど、太ってなく、クラブ経営もやって経営者になって、そういう意味では嬉しかったですし、時が経つのは早いなと思いました。
ーカレン選手と出たワールドユースの頃に、本田選手も1回挫折していると思う。
挫折ばっかりしてますよ。
ー本田選手もオランダに行って活躍。諦めの悪いメンタリティーみたいなのは?
挫折はしたけど、へこんではないです。何度も失敗したし、何度も上手く行かなかったし、何度も評価されずに挫折はしたんですけど、へこんだことはないし、悔しい思いをして、次を虎視眈々と狙ってやってきたので、練習とか地道な場所でしか、僕らの今までの環境なかったのが、今回こうやって4対4で、遊びの場所かもしれないけど、特性を活かしてサッカーにつなげてほしいと思っている。ここからフットサルを通じて、ロナウジーニョとか代表例ですけど、そこから生まれている大スターとして成功しているサッカー選手も多いので、そういう風な立ち位置になっていければ良い。
ー現役続行については
膝が持つ限りやりたいなと思っている。復帰というのも、おかしな話で引退したことないので、ケガからの復帰からのニュアンスくらい。続けられる限りやりたい。
ー先ほどヨーロッパ以外という話も
もちろんないとは言わないですけど、今のところ考えてない。もう少し違った形でサッカーを追及できればいいなと思う。
ーまだ行っていないアフリカとか
アフリカは否定はしないですけど、優先順位が高いというわけでもない。ほんと機会があれば考えたいなと思う。考えてはいますし、頭の中にはありますけど、こればっかりは向こう側も距離感もあるので、僕のイメージがつかめない状況でオファーを出すかとか色んな問題があるので
ー全国大会廃止の流れがあり本田選手は勝利至上主義は必要という立場でお話を。
勝利至上主義が必要という立場で話したのではなくて、全国大会が必要という立場で話をしました。全国大会が必要=勝利至上主義ではないということを理解してほしい。
ー勝利至上主義という考え方を今後どのように進んでいくべきか
子どもの時に勝利至上主義というのは、僕は否定的です。ただ負けてもいいというマインドを持つ、子どもがたくさん増えていくのも違うと思っています。大人が負けた子に対してもチャンスを与え続けるという環境が最も大事なことであって、できれば僕は勝ちたいと強く自分自身に願って欲しいと思っていますし、そのための全国大会ですから、どんどん子どもが自ら上を目指して夢を持って、夢に向かって全国大会で頂点を目指して頑張ってほしいと思っています。9割9分の子は負けるわけですけど、勝ちたいと思ってトライした、そのプロセスに価値があると思っているので、負けていいからやろうかなじゃなくて、やるからには勝ちたいと思ってやってほしい。それと勝利至上主義というのは大人の視点で入っていますから、それは全く違う問題だと思っていて、勝利至上主義というのは僕は否定的。要するに勝たない9割9分の子たちを、いかに次に繋げさせるかというサポートするかってことが大事。サッカーというのは勝つための戦術をやるんじゃなくて、大人になった時に、良い選手になるための戦術を子どもの時にやらないといけないという話を前回報道番組でも話しました。