“外国人観光客の受け入れ再開”が1週間後に迫り、心を弾ませ、「おもてなし」の準備が進められています。受け入れる側の期待と不安を取材しました。

■外国人観光客 受け入れ再開まで1週間…おもてなす側の“期待と不安”

東京・文京区にある「ホテル椿山荘東京」。人工的に発生させた霧が、庭園に幻想的な風景をつくる「東京雲海」が人気です。


椿山荘では、6月3日、ホテルスタッフが講師とともに「雲海」を英語で説明する練習をしています。英語の練習に熱が入る理由は、6月10日に外国人観光客の受け入れが再開されることにあります。受け入れ再開に対し、ホテル側は大きな期待を寄せていると言います。


ホテル椿山荘東京 武村美紀さん
「非常に期待とワクワクで楽しみでございます。ヨーロッパ・アメリカ・オーストラリアを中心としてお問い合わせは、徐々に増えてきています」

コロナ前、外国人観光客が多く訪れていた浅草の着物レンタル店「浅草着物レンタル大吉」でも、“訪日観光”の再開を心待ちにしていました。


大友雄介店長
「商売人としては心がおどる気持ちです。やったぞという感じですね」

一方、再開が決まっているのは、添乗員が同行するパッケージツアーに限られています。ツアー客がどのくらい着物レンタル店を訪れてくれるのか、期待の反面、不安も抱えています。

大友店長
「フリーの時間がツアーだと少ないので、ご来店をいただけるのかな。お店がすごく忙しくなる状況に至るまでには、もう少し時間が掛かるのかな」

■“採用間に合わない”嘆く経営者・・・外国人観光客への対応に不安

忍者
「拙者がご案内をいたします。では参る、こちらです」

忍者をテーマにした東京・千代田区のレストラン「NINJA TOKYO」です。「忍者の隠れ里」をイメージした店内は、忍者に扮した店員が隠し扉からでてきたり、柱に手裏剣が刺さっていたりと、独自の世界が広がります。


コロナ禍の入国制限などで、客が10分の1に減ったという、「NINJA TOKYO」。外国人観光客の受け入れ再開については不安な点があるといいます・・・

ウィルプラニング 倉持伊佐央取締役
「大きな期待と大きな不安が入り交じって非常に複雑な心境ですね」

ーー不安はどういうところ?



倉持さん
「一番大きなところは忍者・くのいち不足ですね」

来客数の激減を受け、▼40人以上いた忍者スタッフは、現在▼10人以下に。スタッフを募集する予定ですが、“忍者不足”が解消されるメドは立っていません。6月10日以降、外国人客が増えたとしても・・・

倉持さん
「(スタッフ採用が)間に合わないです。間に合わないのは間違いないです。どうしても予約を制限しながら戦わざるをえないと思います」

政府は、5月下旬から行われている外国人ツアーの実証事業を踏まえ、6月7日に感染対策のガイドラインを発表する予定です。岸田総理は、外国人観光客にも、マスク着用の徹底を求める考えを示しています。


岸田文雄総理
「添乗員が、日本のマスク着用ルールを徹底させる」

今回の受け入れ再開で、インバウンド市場はどこまで回復するのでしょうか?