最終報告書の提出後に『児童が日記帳にSOSを書いていた』と判明
そして、今年3月14日、最終報告書が両親に提出された。報告書によると「集団で執拗かつ継続的に行われた極めて重大ないじめ行為」と認定された。しかし、その一方で「異変に気付くことはできなかった」と記されている。
【最終報告書の内容】
「日記や作文等も定期的に実施していましたが、本事案についての内容が書かれたことはなく、いずれも早期発見にはつながりませんでした」
この報告書が提出された4日後の3月18日。校長と担任が自宅を訪れ、こんなことを伝えてきたという。
(被害児童の母親)
「『実は学校で日記帳と作文帳を保管していたんです』と。『SOSを実は書いてたんです』と言って担任の先生が泣きながら…」
被害児童が書いた日記帳。担任が預かっていて、その存在を忘れていたという。1学期のある日、こんな記載があった。
【日記帳に書かれた内容】
「僕は今日、調子や機嫌が良くないです。今、話をしようと思える人は、友達のAさんくらいです。なぜかわかりませんが、機嫌が悪いです」
何かを訴えようとしていたともとれる内容。日記帳には、日々の出来事に対して担任の返事が書かれているが、この日は担任からのコメントはなかった。
(被害児童の父親)
「ちゃんとSOSを出してたんやなと」
(被害児童の母親)
「(報告書では)日記には何も書いていなかったと言い切っていたので。本当は日記と作文帳を隠ぺいして、書いていたことすらなかったことにしようと思ったのかとか」
いじめ問題に詳しい弁護士「最悪の対応」
今回の西宮市教育委員会と学校の対応は、適切だったと言えるのか。いじめ問題で第三者委員会の委員などを務めたことがある野口善國弁護士は次のように話した。
(いじめ問題に詳しい野口善國弁護士)
「一口に言えば、最悪の対応であると思いますね。中間報告書を手渡す際に『訴訟に使わないんであれば渡す』みたいな条件を強要していますけど、そんな条件を勝手につけることはできないですね。(Q日記の存在が後からわかったと主張しているが?)調査漏れならまだいいんですけれど、普通そんなところ(日記など)を見ないというのはありえないことで。これは事実の隠ぺいと取られても仕方がない。保護者から求めがあれば当然、第三者委員会を設置しなければいけないんですけれども、もしそれをしないということになるとですね、とんでもない法律違反になると思いますね」
野口弁護士は、一連の行為は隠ぺいと取られても仕方がない、と指摘した。