マイナンバーカードをめぐるトラブルが後を絶ちません。政府が来年秋の完全導入を目指す、マイナカードと保険証の一体化でも問題事案が多発しています。千葉市のクリニックでは去年8月以降で20件以上、発生しており、診療に支障も出ています。クリニックを襲った患者の保険証データの誤表示。その原因を追いました。

なぜトラブル“多発”? 保険証との一体化でもトラブルで診療に支障も

岸田総理(6月 衆院決算行政監視委より)
「国民のみなさまにご心配をおかけしていることを申し訳なく思っています」

マイナンバーカードのトラブルが後を絶ちません。

50代男性
「怖いです。他人のデータに置き換えられるですとか」
30代女性
「今後もそういうトラブルの情報が出てきちゃうんじゃないかとか、マイナスのイメージが強いですね」

政府が2024年秋の完全導入を目指す、マイナンバーカードと保険証の一体化でもトラブルが多発しています。

千葉市のクリニックでは2022年8月以降、20件以上のトラブルに見舞われました。マイナ保険証の読み取り機による患者データの照合ができず、診療に支障が出るケースが相次いでいます。

ドクターケンクリニック 中村健一 院長
「(保険証データの)該当者なし、そんな人はいませんよとか」
中村みどり 事務長
「無効とかいろいろあります。20件くらいはあるはずです」

さらに6月には、男性患者の医療費の負担割合が間違って表示されるトラブルが発生。

中村みどり 事務長
「ここ(自己負担割合)が2割になっています」

本来、“3割負担”のはずが、“2割負担”になっていたのです。なぜ、間違いが起きたのでしょうか?news23の取材で、原因は「市の職員の入力ミス」だったことが明らかになりました。

千葉市によると、市の職員は男性の医療費の自己負担割合を確認していなかったため、仮の数字として「2割」と入力。その後、正しいデータが3割だとわかり、上書き保存しましたが、上書き前のデータを削除する作業を怠ったため、仮で入力した2割というデータが反映されてしまったのです。

市の調査では、他の職員からも同様のミスが1件見つかっています。千葉市健康保険課は、「患者や病院にご迷惑をおかけし、申し訳ない。資料確認や作業手順の遵守を徹底し、再発防止に努めたい」としています。

ドクターケンクリニック 中村健一 院長
「マイナンバーカードと保険証を一緒にする期間は十分取って頂いて、問題ないと言われたら政府の方針通りやればいいですけど、今、問題だらけなので、(政府は)焦りすぎているとしか言いようがないですね」

政府は、マイナンバーカードデータの総点検を進めており、8月上旬に中間報告を行う方針です。利用者の不安を払拭するには何が求められているのでしょうか。