基礎学力の習得時間を短くして「社会で生きる力」を学ぶ

―――ブラジルで大切さを感じた「社会で生きる力」をつけるには?
テクノロジーの力で基礎学力の習得にかかる時間をグッと短くできれば、余った時間、創出された時間で「社会で生きる力」を学ぶ、そんな未来が作れるんじゃないかと思っています。いわゆる受験には出てこないような「仲間と一緒に働く力」、「コミュニケーションする力」や「プレゼンテーションする力」ですね。いずれは、基礎学力と社会で生きる力の両方を提供していきたいと思っています。今は、第1弾の基礎学力を効率的に、かつ効果的に提供するということにフォーカスしていて、第2弾の「社会で生きる力」編に早く行きたいと思っています。
―――今の稲田さんの夢は何ですか?
もっと早くミッションの実現に近づきたいと考えています。「教育を変えて、社会を大きく変革するんだ」っていうミッションに対して、まだ0.1合目ぐらいだなと思っていますので、それをもっと加速するにはどうしたらいいんだろうかと。世界中で数億人っていう生徒に教育を提供したいなと思いますが、まずは日本でできるだけ早く基礎学力を学ぶ仕組みをお届けできればというのが、ずっと頭を占めていることです。
―――最後に稲田さんにとってリーダーとは?
ミッションに向かい続けることだと思います。ミッションとはすなわち、会社で最も大事にしていて、どういう世の中を作りたいんだという一番大事にしているところですよね。そのミッションの大切さを誰よりも信じていて、そこに向かい続けることだと思っています。
■稲田大輔 1981年に東京都に生まれる。2006年、東京大学大学院を修了して三井物産に入社。社内留学などで滞在したブラジルで教育事業に関心を持ち、2017年に起業。
■atama plus 本社は東京都港区。AI学習教材「atama+」を導入する塾や予備校の教室の数は、全国で3400を超える。従業員数は約200人。
※このインタビュー記事は、毎月第2日曜日のあさ5時30分から放送している「ザ・リーダー」をもとに再構成しました。