宮内庁から提供される映像は「無音」・・・会話の内容も不明
天皇陛下をはじめ、皇族の方の取材は、メディアによる取材と、宮内庁からの提供映像の2パターンがある。メディアによる取材では、カメラの前で報道陣からの問いかけに答えられることもある。4月に御料牧場に行かれた際には、桜を見ようとした両陛下のおでこがぶつかり、陛下が「ごめんなさい!」皇后さまが「ごっつんこ」と言い、仲睦まじい様子が大きく報じられた。

一方、宮内庁の提供映像は、御所や宮殿での行事のほか、お誕生日や記念日の映像などがあるが、いずれも「無音」である。最近だと、両陛下の結婚30年にあわせ、愛子さまと一緒に大変にこやかに会話されている映像が公開された。しかし、ご一家がどんな会話をされ楽しそうにされているのかは、宮内庁側に質問したが「分かりません」とのことだった。

去年、悠仁さまの誕生日映像で初めて「音声」が入った。しかし、悠仁さま本人の声ではなく、セミの鳴き声や鳥のさえずりといった音声だった。それでも、宮内庁は「今年は音声をいれております」と説明し、宮内記者会の間では驚きを持って受け止められた。
こうした、宮内庁提供の映像について、不満というよりも、単純にもったいないと思ってしまう。
宮内庁は、皇室の活動や人柄を伝えるためには、これで十分だと考えているのか。記者会見で幹部に聞く機会があった。
宮内庁はどう考えているのか?次長会見で聞いた
6月27日の会見で、宮内庁の池田次長は、今回の両陛下のインドネシア訪問について「一つ一つの行事や、場面でのお姿やお言葉から、両陛下のお気持ちが伝わっていった」と振り返った。ならば、「宮内庁の今後の広報体制や取材の在り方について感じたことはないか?」と質問した。回答は「国民の皆さんに両陛下のご活動それからお人柄なども広く伝わることが適切だというふうに思っておりまして、広報の充実にも今後進めてまいりたい」とのことだったので、もっと伝わるように変えていきたいということか?と重ねて質問した。しかし、「今まで申し上げている通りです。広報の充実については図っていきたいというふうに考えています。具体的にどのようにしていくかということはそれぞれの場面で考え、今後検討していくということです」との回答にとどまった。