ルカシェンコ大統領 仲裁の舞台裏にあった“警告”

南波キャスター:
仲裁の舞台裏というところを見ていきますと…
▼6月24日午前10時(現地時間)
ロシアに対しての進軍を始めているという状況下で、プーチン大統領はプリゴジン氏に電話をしましたが『電話に出ない』という状況でした。
▼午前11時(現地時間)
プリゴジン氏に繋がる電話番号をルカシェンコ大統領が調べ、電話をしたところ“興奮状態”だったということです。
ルカシェンコ大統領はプリゴジン氏に対し「民間人に死者が出たら交渉の仲介はしない」と警告もしました。

▼午後5時(現地時間)
プリゴジン氏からルカシェンコ大統領に電話があり、プリゴジン氏が『進軍の中止は受け入れる。ただ、進軍をやめた際にロシア軍から攻撃されるのでは』という不安を話したため、『ロシア軍の攻撃はないと保証する』と答えました。
▼27日(現地時間)
ルカシェンコ大統領がベラルーシ入りを明かしました。これが“亡命”なのか“一時的な滞在”なのか、大きなポイントになってきます。
ホラン千秋キャスター:
これまでであれば反乱的な動きをプーチン大統領に対して見せたとしたら、それなりの処罰が下されてもおかしくない、というような状況だったと思います。そうではなく、ベラルーシに入る。この背景にはどんなことを考えられますか?
笹川平和財団 畔蒜 主任研究員:
そもそも『プーチン大統領がプリゴジン氏に電話をしたけども出なかった』というわけではないのです。プーチン大統領とルカシェンコ大統領が話したときにも、プーチン大統領は『断固たる措置を取るんだ』という決意をしていたようなので、ルカシェンコ大統領が『急ぐな、待て』と説得をして。そこから自分が電話をしてみるということで、このプロセスが始まったということなんですよね。
今回、ルカシェンコ大統領は、ロシア軍とワグネル軍の軍事衝突という最悪の事態は、ロシアにとってもベラルーシにとっても避けたかったんだと思います。というのは、既にウクライナで戦争をやっていますから。
さらに国内で、もう一つの戦争抱えるというのは、あまりにもリスクが大きい。プーチン大統領を説得をして、最終的にプリゴジン氏をベラルーシが引き受けるということを、最終的な交渉の中でルカシェンコ大統領が引き受けたということですね。