妊娠発覚も「相談する知人がいなかった」「産んだ時はパニックに」

警察による逮捕当時、女は「赤ちゃんを産んだ日に入れた。お金もないし誰の子どもかも分からないので、育てるつもりはありませんでした」などと供述していた。

被告人質問では、弁護人から妊娠当時の状況などについて質問が及んだ。

(弁護人)「今回の一番の原因は?」
(女)「避妊をせず、救急車を呼ばなかったこと」
(弁護人)「妊娠して通院とか考えなかったのか?」
(女)「相談する人も知人もここにはいなかったから」
(弁護人)「捜査資料に『人から愛情を受けた記憶もない、楽しい思い出もない』と書いてるあるが今もそう思う?」
(女)「思います」
(弁護人)「その理由は?」
(女)「幼少期の親の影響」
(弁護人)「供述調書には『小学校6年生頃に母は子どもを置いて出て行った』と書いてるがこれのことですか?」
(女)「そうです」

出産時、女は量販店でトートバッグを買いそこに赤ちゃんを産み落としたという。遺体が入っていたバッグは、コインロッカーに長期間入っていたため業者が回収した後、倉庫に保管されていてその後、異臭に気付いた職員が警察に通報し発見された。その後なぜコインロッカーに入れたのか。女は裁判で次のように話した。

(女)「産んだ時はパニックだった。収入が安定せず、生活することで精いっぱいで育てるのは難しいと思った」