東京・港区にある私立芝中学・高等学校の50年以上続く部活動「技術工作部」で金銭トラブルがあり、活動を休止している問題で、22日夜、全校生徒の保護者を対象にした説明会が開かれました。

この問題はおととしから去年にかけ、「技術工作部」の50代の元顧問が部品などの購入費用として使ったおよそ175万円のうち、71万円ほどを生徒にOBらから回収させようとしていたものです。

学校側の説明によりますと、これまで「技術工作部」で部品などを購入する際には元顧問名義のクレジットカードで支払い、その後、部の口座から引き落とされる仕組みでしたが、残高が不足した場合には元顧問が部に貸し付ける形で補填していたといいます。

そのうえで、「不足額」は部員たちが卒業後、寄付という形で精算する仕組みをとっていたとしています。

これについて、保護者らは寄付ではなく、元顧問が生徒に対し卒業生から「不足額」を回収するよう強要していたと主張。

元顧問が生徒に対して送ったメッセージでは、「(OBの中で)無視する学年がいたら会社訪問して貸付金の取り立てと寄付のお願いをやったらイイですね」、「大学のオープンスクールに行くより良い社会人経験になると確信します」などとし、「説明不要 取り立てれば良い」と記されていて、保護者は生徒が貸付金の回収をせざるを得ない状況に追い込まれていたとしています。

22日夜の保護者説明会はおよそ3時間にわたって開かれ、保護者150人ほどが参加。以前から部活動の運営方法に疑問を持つ生徒が数多くいたにもかかわらず、学校側が対応してこなかったと非難する声が上がったといいます。

さらに、保護者からは元顧問が取り立ての際に部員に対し、▼「機械を売り飛ばす」▼「もう俺は指導しない」▼「甘ったれるな」などといった言葉があったと指摘しています。

学校側の説明によりますと、元顧問は去年3月に「一身上の都合」を理由に顧問を退いています。

学校側は部活動の運営を顧問に任せきりにしていたと謝罪し、今後、弁護士などを入れた第三者委員会を設置し、実態把握と再発防止を進めるとしています。

「技術工作部」は創部50年以上の伝統的な部活で、省エネ性能を競うレースの全国大会で2連覇するなどの実績があります。