小学校でもトイレ問題「性自認を尊重した対応」進むか

最高裁判決によって、私たちの生活にどのような影響が出るのか。「トランスジェンダーと職場環境ハンドブック」などの著作がある大阪公立大学の東優子教授はこう話す。

大阪公立大学 東優子教授(ジェンダー研究)
「経産省は、現在、そして当時から率先してダイバーシティ推進に取り組み、お手本を示すべき立場だ。今後の民間企業、学校、地域社会にも影響を与えると思う」

学校の男女別トイレ

東教授によると、小学校や中学校で、トランスジェンダーの子どもに対し「手術を受けていない、戸籍が変わっていない」などの理由で、性自認に沿ったトイレの使用を認めないケースもあるという。「トイレは毎日何度も使うもので、健康状態に直結する問題。精神的苦痛も引き起こす」。東教授は、最高裁判決が「学校や職場などでの対応が変わるキッカケになるかもしれない」と期待を示す。

大阪公立大学 東優子教授(ジェンダー研究)
「重要なのは、当事者がどんな生きづらさに直面しているのかを想像すること、知ろうとすること。何に困っているのかを丁寧に聞き取り、最大限の配慮をすることだ」

性的マイノリティーの人たちの職場環境について、国の明確な指針はまだない。「性自認」「性の多様性」を尊重した対応が進むのか、最高裁判決が注目される。

(TBSテレビ社会部 司法記者クラブ 高橋史子)

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高橋史子
TBSテレビ 報道局社会部

2009年入社。社会部に配属され司法クラブ(検察・国税担当)、警視庁クラブ(生安部・交通部・組対部など担当)で取材。その後「報道特集」「NEWS23」の番組ディレクター。2022年7月から2024年3月まで司法クラブで裁判を取材。現在はサブデスク。

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