通説として「宇宙より海の方がわかっていない」

―もう一つはフランス政府が派遣した「ビクター6000」というものです。リモート操作で動く探査機。水深は6000mで作業が可能です。

若林伸和教授:一般的にはROVという、リモートで遠隔操作する無人の水中ロボットなんですが、これはある程度作業ができてロボットアームみたいなものがついてますから、ロープを船体にかける、ワイヤーかロープをかけるという作業もできなくはない。それから動けないでいるのはどこかに引っかかっているっていう可能性もあるから、そういうのを外すっていう作業ができるかどうかですね。簡単ではない。

立岩陽一郎氏:JAMSTEC、日本は海洋探査に力を入れている方ですが、でも宇宙に比べると、予算も少ない。だけど現実には海底探査とか海の中ってわかんないこと実は多いんですよね。宇宙もいいですが、やっぱり同じぐらい、海底というものに我々も少し関心を持って、こういうことが起きないように最善の努力をすることが常識になるようになることが必要だと思うんですけどね。

若林伸和教授:海は通説として「宇宙より海の方がわかっていない」って言われていますからね。

―タイタニック号の探索ツアーは、7泊8日1人およそ3500万円という費用だったということです。現地まで行って、潜って上がって帰ってくるという全ての日程で7泊8日。潜っている時間はおよそ8時間ぐらいと伝わっています。構造はカーボンとチタン。外からボルトで締めるために中からは開けられない。開閉は外側からでないと駄目。緊急用に最大96時間分の酸素が確保されている。酸素の供給はどうなっているんでしょう?

若林伸和教授:おそらく緊急用はボンベとかに詰めているんではなくて、航空機の酸素マスク、上から降りてくるような、薬剤で化学反応を起こして酸素ガスを発生させるっていうふうになっていると思います。

96時間っていうのはあくまで理論値であって、船内の人たちがどれだけ酸素を消費するかにもよるので、なるべく動かないで消費量を減らすような努力をしていればもう少しいけるかもしれない。パニックを起こして、心拍数なんかが上がってきている人が多かったら呼吸も増えて、もうちょっと短いかもしれない。大体の目安ですね。

トイレは一応ついているらしいですね。もし電源喪失してたら、中で照明つけることはできなくて、例えば何日持つかですけど、スマホの明るさで、今の時代だとそういう光しかない。電源喪失したら多分コントロールができなくなっている可能性があって動けない。制御もできないという可能性も考えられますね。