サニブラウンは「脚が攣ってしまいました」
大会4日目の男子100m決勝は、誰もが予想できない展開になった。サニブラウンがスタートで出遅れると、なすすべなく最下位の8位でフィニッシュした。優勝した坂井隆一郎(25、大阪ガス)の10秒11(-1.2)に対し、サニブラウンは10秒59。世界陸上史上唯一の日本人100mファイナリスト(決勝進出者)に何が起きたのだろうか。
「ブロックに入ったときに、脚が攣(つ)ってしまいました。そこからもうダメでしたね」
スターティングブロックを蹴る前に異変が起きていた。レースを中止する選択肢はなかったのか。
「スタートラインに立っているので、走らないわけにはいかないんで。そこは責任と、プロとしての心構えですかね」
脚が攣る原因は特定できない。前日の予選は10秒13(+1.2)で3組1位。予選全体でトップのタイムで通過していた。サニブラウンの「調子自体は悪くなかった」という言葉は信じられる。
だが決勝の3時間半前の準決勝は10秒26(-0.6)で2組2位。多少は抑えたにしても、万全ではない可能性も感じられた。そして決勝はスタート直前に脚が攣った。
「3本走ったことは大きかったと思います。ラウンドを重ねる試合の世界陸上に向けて、体作りになりました。体をしっかり休めて、ここからまた一段階、二段階くらい上げていかないといけないので、そこは気を引き締めていきたい」
昨年との違いは世界陸上の開催が1か月違うこと。本番までに強化と調整を、しっかり行う期間がある。