23人が犠牲となった「岩手・宮城内陸地震」の発生から14日で15年です。宮城県内で最も大きな被害を受けた栗原市では朝、遺族らが犠牲者を追悼しました。
栗原市栗駒の「駒の湯温泉」にある慰霊碑前では、地震発生時刻の午前8時43分に合わせ、遺族や住民らおよそ30人が黙とうを捧げ犠牲者を悼みました。

母と兄を亡くした駒の湯温泉 菅原昭夫さん:
「あっという間だった。何とか助けられなかったかなという思いはある」

母を亡くした菅原恵美さん:
「知っている方も知らない方も地震があって犠牲になられた人がいるという母を知っている方にもこの日を思い出してもらえたら嬉しい」

2008年6月14日午前8時43分、岩手県内陸南部を震源とするマグニチュード7.2の地震が発生し、県内では栗原市で最大震度6強を観測しました。
震源地に近い栗原市の荒砥沢ダム上流部では国内最大規模となる大規模な地すべりが起きました。

この地震による死者は、宮城、岩手、福島の3県で合わせて17人に上り、駒の湯温泉では、宿が土石流にのみ込まれ客と従業員、経営者の家族合わせて7人が犠牲になりました。

また、宮城と秋田で合わせて6人が行方不明のままです。
駒の湯温泉は内陸地震から7年後の2015年に日帰り温泉として復活したものの、3年前からは、新型コロナの影響で営業自粛を余儀なくされています。それでも経営者の菅原昭夫さんは、定期的に浴槽を掃除しながらいつでも客を受け入れられるよう準備を進めています。

駒の湯温泉 菅原昭夫さん:
「予約制のできれば貸し切りのような形でお客さんに来てもらえるような考えでいる」

菅原さんは『一日も早い営業再開を目指し今後も伝統ある温泉を守っていきたい』と話していました。