「ヘルソンに現れたプーチン氏は“そっくりさんレベル”だった」

番組では影武者の有無を公開されている映像から明らかにするべく専門家に分析を依頼した。

用意したのは様々なメディアで“これは怪しい”とされた6シーンのプーチン氏の写真だ。2022年7月イラン訪問。2022年8月エルドアン対談、2022年12月クリミア橋視察、2023年3月のセバストポリ訪問、マリウポリ訪問、2023年4月のへルソン訪問。この6枚と確実に本物であろう戦勝記念日のプーチン氏の写真をAIで比較分析する。

持ち込んだ先は、AIによる顔認証システムを独自に開発する民間企業『トリプルアイズ』。ここのシステムでは、目、鼻、口の形や輪郭など500以上の特徴をAIが解析し、“本人との一致率”を示す。数値が高いほど本人ということになる。写真の角度、鮮明さなどではっきりしないものもあったが、いくつかは衝撃的な結果が出た。

『トリプルアイズ』 日野隆教 執行役員
「この去年12月のクリミア橋視察の写真は本人との一致度が低い。特にこの(持ち込まれた)写真ではAIによる一致度が低いということになります。(―――それはプーチン氏ではないということですか?)そうですね。本人ではない可能性があると思います」

結果は、2023年4月のヘルソン訪問時のプーチン氏…“本人との一致度”40%。
2022年12月のクリミア橋視察…53%。この2つが特に低かった。因みに偽者であることが分かっている“プーチン氏のそっくりさん”を調べたところ一致度35%だった。つまり、ヘルソンに現れたプーチン氏は“そっくりさんレベル”だったということになる。

防衛研究所 兵頭慎治 研究幹事
「前線に近い危険場所で、本人が行けない場所には代役が行ってるってことですよね。ゼレンスキー大統領は何度も前線に行って兵士を鼓舞している。でもプーチン氏は行かない。いつまでもそうはいかないと追い込まれた。…ということで、影武者の出番が増えたってこと…」

ロシアの影武者はプーチン氏に始まった事じゃなく、スターリンには有名な影武者がいたと駒木氏はいう。ヒトラーにも影武者説はあったし、サダム・フセインには何人も影武者がいた。“臆病な独裁者”ほど影武者を持ちたがるのかもしれないが、プーチン氏本人になぜ影武者が必要なのか、その政治体制そのものの問題点も考えてほしいものである。

(BS-TBS 『報道1930』 5月22日放送より)