大分市の坂ノ市地区で4年ぶりに行われた「万弘寺の市」。暗闇の中、物々交換をする伝統の行事を記者が体験しました。
大分市坂ノ市地区の万弘寺で行われる「物々交換」は1400年以上の歴史をもつ伝統行事です。新型コロナの影響で4年ぶりの開催となった20日の朝4時。会場にはおよそ150人がつめかけました。
(参加者)「4年ぶりということなんで張り切ってます」「甘夏とビワを持ってきた」「もうワクワクです。きょうの目標はこれを3倍にして持って帰ることです」
(吉田記者)「私はOBSマスコットキャラのまるんちゃんタオルを持ってきました。いったい何と交換できるんでしょうか」

真っ暗闇の中、いよいよ物々交換がスタート。手提げ袋に野菜や果物、雑貨などをたくさん詰め込んだ女性、派手な衣装で参加した男性の姿も…。スマホのライトを頼りに少しでも良い品を手に入れようと「かえんかえ~」と掛け声をあげながら巧みなやりとりを繰り広げます。

私は最初に結婚式の引き出物か何かでもらったというコップと交換。そのあと、別の男性と交渉しコップは陶器にかわりました。最終的に…映画ワンピース・フィルムレッドを小説化した本とチェンソーマンの単行本5巻になりました。眠くてたまりませんでしたが、話題となっているマンガの本をゲットすることができ満足でした。

(参加者)「アロハシャツにかえました。何か儲かった感じです」「玉ねぎ、ビワになりました。面白かったです。この暗闇で」

また、午前10時からは伝統を体験する小学生以下の子どもたちの物々交換も4年ぶりに再開し、およそ80人がおもちゃやお菓子などを交換しました。
(参加した子ども)「何か知らないものと交換できたのがとても楽しかったです」「いろんな違う学校の子とかもいたけど、皆で楽しめて良かったです」
境内に響いた歓声と笑顔。4年ぶりの復活となった「物々交換」は、地元をはじめ多くの人の心をつなぎました。