■「中国は同意したルールを守ってきませんでした」

ホランキャスター:
この新たな枠組み(IPEF)をどうアジア諸国に売り込むのですか。
エマニュエル駐日大使:
インタビュー熱心で結構ですが、大統領の演説にとっておきましょう。大統領の演説の後でなら答えましょう。
ホランキャスター:
アメリカとしてはTPP復帰は選択肢にないのでしょうか?
エマニュエル駐日大使:
ありません。
ホランキャスター:
なぜですか?
エマニュエル駐日大使:
当時とは国際情勢も力学が変わっています。大統領の政策の通り、我々はその変化をより現代的な経済枠組みに組み込もうと考えています。
大使との話しの中で見えてきたのは、アメリカ側の中国に対する強い対抗意識です。
ホランキャスター:
IPEFに中国を含めないというのは大事なポイントですか。
エマニュエル駐日大使:
中国排除ありきではないですが、入るべきではないという見方が強くなると思います。中国は同意したルールを守ってきませんでした。例えば、知的財産の分野でも常に商業スパイをやっていますよね。他国はみなルールに従っているのに、中国だけは「これは守るけど、これは無視」ということがまかり通れば、システムは壊れてしまいます。
日本は自由で開かれたインド・太平洋を明言しています。そこでは各国がルールに従っているはずですが、中にはそうでない大国があり、その影響が出るということは考慮しておいたほうがいいと思います。
■バイデン大統領へのお薦めは「アイスクリーム」

インタビューの最後に、こんな質問も。
ホランキャスター:
バイデン大統領を日本で案内したい場所はありますか?
エマニュエル駐日大使:
銀座の近くで、高架下にある、あの場所はなんていうんでしたっけ?飲食店が軒を連ねているところなんですが・・・
ホランキャスター:
有楽町・新橋ですか?
エマニュエル駐日大使:
お店が沢山ありますよね?是非ともあそこにお連れしたいですね。ただ歩き回ってみたいですね。それがナンバーワン。ナンバーツーとしては、京都の市場にお連れしたいですね。そしてもう1つ、自分もシカゴ市長だった時には電車で通勤していたのですが、バイデン大統領も上院議員時代はアムトラックを利用していました。私は列車に乗るのが大好きですが、彼もきっと新幹線をすごく気に入ると思います。
ホランキャスター:
そんな時間を大統領は取れそうですか?
エマニュエル駐日大使:
いいえ。取れませんね。 空港などで大統領に会ったときに私がこういう話をすると、彼はやきもきすると思います。実現できませんから。
そうだ、これも彼にお薦めしようと思ったのですが、彼はアイスクリー ムがとにかく大好きなんです。日本にはすごくおいしいスイーツが本当にたくさんありますよね。信じられないほど店も多いですね。私や彼のように甘い物好きにとっては、東京は夢のようなところです。
ホランキャスター:
バイデン大統領は色々なチャンスを逃してしまいますね。
エマニュエル駐日大使:
残念ながら電車に甘い物を持って乗るわけにもいかないですしね。