「神様が決めたこと」赤ちゃんを捨てた女性たち

ベールをまとい、顔を見せないことを条件に取材に応じてくれた女性。生まれた直後の我が子を手に掛け、遺棄したことで5年間服役しました。

須賀川記者
「なぜ収監されたのか教えてくれませんか」

「えい児殺人」で服役した女性
「神様が決めたことなんです。それ以上は言えません。えい児殺人を犯してしまいました」

婚姻関係にない男性の子供を妊娠してしまった女性。当時の記憶は曖昧になっているといいます。

セネガルの文化において、結婚前に妊娠することは許されないことです。レイプの末の妊娠だったとしても、女性は自分が悪いことをしてしまったと考えます。

須賀川記者
「性別は分かっていますか?」

「えい児殺人」で服役した女性
「分かっていません。家族と世間の目が怖くて殺してしまいました」

ベールで表情は見えませんが、時折うつむき、沈黙。しかし、ある話題になると少しずつ元気が出てきました。

「えい児殺人」で服役した女性
「これはミシンじゃなくて手縫いなのでとても人気なんです。みんな手縫いの刺繍がアート作品として好きみたい。私は前部分が綺麗に仕上がっているところが一番好き」

女性は今、ある支援団体のもとで生活し、服飾デザイナーとして新たな道を歩み始めています。

カラフルな服をまとい、露店を開く女性たち。刑務所の前で自ら手がけた服を売る女性受刑者たちです。

アフリカの複数の国で活動するNGOは、セネガルでも刑務所に収監された女性の多くに職業訓練を行い、自立を助けてきました。