引退した動物たちの面倒を見続ける佐藤園長『せめて最期の時を幸せに』

 佐藤園長は毎日どうぶつ王国にいるわけではありません。この日は兵庫県福崎町にある会社兼自宅にいました。

 (佐藤園長)「おはよ~」
   (社員)「きょう佐藤さんにお願いしたいことがあって、キャバリア(犬)の皮膚と、フンの検査と、老猫の管理方法の相談がしたいです」
 (佐藤園長)「はい」

 中には人工保育器や診察台があり、園長自ら飼育動物の体調管理や定期検査を行います。

 (佐藤哲也園長)
 「(Q顕微鏡で何を見ている?)モルモットのうんこです。たとえば寄生虫とかいろんなことがわかりますけど、これで見つけたら獣医に連絡して病院で治療の診断をするわけです」
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 動物がいるのは建物の中だけではありません。広い芝生にいたのは…。

 (佐藤園長)「大地!はいはい、大ちゃん」

 神戸どうぶつ王国などでショーにも出ていたボーダーコリーの大地(14)、引退犬です。

 (佐藤哲也園長)
 「(Q第一線で活躍できない犬を引き取る?)引き取っているんじゃないです、自分のところの動物ですから。一生懸命仕事した犬や動物が定年になって再任用も終わって、伸び伸びと過ごす場所がここです」
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 大地以外にも、展示できなくなった動物をここで飼育。最期の瞬間まで面倒を見つづけることが動物園を経営する者として当然だと考えているからです。

 (佐藤哲也園長)
 「せめて最期の時を幸せに…。幸せかどうかわからんけど、であろうと思うことはしないといけないと思うわけです。人間と違って自分たちだけでは生きていけない仕事仲間だから」