須賀川拓記者(2021年11月)
「自爆テロの現場なのですが、壁が黒く焼け焦げているのか、もしくは血液が黒くなってしまっているのか分かりませんが、明らかに色が周りと違います。そして布切れなどが飛び散って壁についているのが分かります。上にある有刺鉄線に引っかかっているのは、おそらく巻き込まれた人たちの服なのだと思いますが、黒くただれてしまっていますね」

犠牲になったのはアメリカ軍関係者13人とアフガニスタンの民間人、少なくとも170人です。
ただ、私たちが現場で取材を進めると、亡くなったアフガニスタン人の多くが自爆テロではなく、アメリカ軍による銃撃で死亡した可能性があることが分かってきたのです。アメリカ国防総省は2022年2月に報告書を発表。
アメリカ国防総省の会見
「銃撃によって誰かが死亡したという決定的な証拠は見つかっていない」
アメリカ国防総省の報告書
「爆発直後、アメリカ海兵隊は市民が殺到するのを防いでいたが、この時は発砲していない」
犠牲者は全員自爆テロによるものと断定しています。しかし、現場では…

雑貨店を営む男性
「爆発が起きたとき、アメリカ兵が人々に発砲し始めた。傷口はとても小さく銃で撃たれていた。私が人々を救急車に乗せたんです。(Q.アメリカ軍が?)はい、アメリカ軍に撃たれていました」
現場近くで雑貨店を営む男性は、自爆テロ直後に「アメリカ兵が市民に向けて銃撃していた」と証言しました。一方のアメリカ側は…

アメリカ国防総省ブリーフィング
「爆発後、アメリカ兵が他のアメリカ兵やアフガニスタン人を殺害したという証拠は見つかっていない。アフガニスタンの現状や米軍の撤退を踏まえると、アフガニスタン人に話を聞くのは難しかった」
アメリカは現場に居合わせたアフガニスタン人への聞き取りを行わないまま、結論を出していたのです。