さらに私たちは死者やけが人が運び込まれた病院の医師をつき止めました。安全上の懸念から、顔と実名を隠すことで取材に応じた医師は、明確に「銃撃による死者がいた」と証言しました。

搬送先の医師
「銃撃によって死亡した患者を受け入れました。誰による銃撃だったのか聞きまわったが、『これ以上調べるな』とたくさんの脅迫を受けたので断念した」
――爆弾の破片と銃撃による傷は見分けがつくのか
「もちろんです。とくに銃弾の傷は刺し傷のような小さな傷になります。私には(見分けるだけの)経験がある」
アメリカ国防総省はさらなる調査を否定。真相は闇に包まれたままです。
■責任放棄…戦争が終わった今こそ捜査、賠償を

小川彩佳キャスター:
戦争が終わって時間は経ちましたが、残された傷の深さを改めておぼえます。取材をした須賀川記者の報告です。
須賀川拓記者:
戦争が終わって1年半近く経った今もこうした新たな情報が出てきているわけです。
一方で、アメリカ兵の立場に立てば、空港は当時、混乱の極みにあったわけです。現場にいた兵士たちも緊迫し、テロの脅威にさらされ、命がかかっていた。そう考えると、目の前で自爆テロがあれば誤射の可能性はあるわけです。ですから、そこをしっかりと認めた上で、アメリカとしてしっかりと捜査をし、必要ならば被害者の賠償をするべきなんです。ところがアメリカ軍は完全撤退し、責任を放棄するという形になってしまいました。20年という戦争でアメリカをはじめとした欧米諸国がアフガニスタンに残した傷はあまりにも深いものです。
そして、今もアフガニスタンではタリバンによって多くの人権が奪われています。現地の人々にどんな支援が必要か、戦争が終わった今こそ改めて考える必要があると強く感じています。