この3年、新型コロナの感染拡大で医療現場には大きな負荷がかかり看護師が退職するケースもありました。鹿児島市立病院では60人余りの看護師が辞め、入院患者の受け入れを減らすというニュースを先日、お伝えしました。
医師とともに患者の命を守る看護師。労働環境や待遇の現状を取材しました。

■「人の命を預かる仕事の割には評価されない」

鹿児島県内のクリニックで働く看護師・50代

(鹿児島県内のクリニックで働く看護師・50代)「人の命を預かっている仕事の割には、評価されていない」

鹿児島県内のクリニックで働く50代の女性。県外の総合病院でキャリアを積んだ、ベテラン看護師です。

6年前、鹿児島に移住しましたが、看護師の給与が低いことに驚いたと言います。

「(他県とは)数万円は違う感じ。かなり低いです」

■手取りは18万円 大学生の息子に仕送りも…

女性の給与です。コロナ対応手当を支給されていますが、ひと月の手取りは18万円あまり。シングルマザーで現在、高校生の息子とアパートで暮らしていますが、県外にいる大学生の息子への仕送りもしなければならず、暮らしは厳しいと話します。


「自家用車は持てないし、子どもが携帯を持ったのは大学に入ってから。あまりにも給与が低いので、看護師を辞めようかと思ったが、せっかく取った国家資格なのでいかさないともったいないと思い、踏みとどまった」

都道府県別に見た新卒(高卒)の看護師の給与です。最も高いのは千葉県で29万円余り。全国平均は26万3000円です。
鹿児島県の場合、主要40か所の病院の初任給は24万円余り。ただ、地方にあるクリニックなどはこれよりも低く、施設によって開きがあるとみられています。

千葉と鹿児島では5万円の差が


待遇に差がある中、新型コロナが追い打ちをかけました。

(鹿児島県内のクリニックで働く看護師・50代)
「かなり忙しくて、未知の感染症だったので、仕事をしていく上で不安があった。ハードワークになって、体調も崩して最終的にはコロナに感染してしまったんですけど・・・」


コロナ禍に県看護協会に寄せられた、現場からの声です。