交通事故で子どもを亡くした遺族がつづったエッセイや詩が、高知市で公開されています。『「ただいま」の声が聞きたくて…』我が子を突然失った遺族の、社会への願いです。

高知市役所で開かれているのは、パネル展「交通死亡事故が起きない社会『ただいま』の声が聞きたくて」です。

このパネル展では、交通事故で子どもを亡くした県内外の遺族4人がつづったエッセイや詩、被害者の生前の写真などが展示されています。

5年前、高知市の交差点で、トラックに巻き込まれて命を落とした、畠山大輝さん。中学生になったばかり。学校に行くため、自転車で横断歩道を渡っていた時の事故でした。

母の理夏さんがつづったのが、「君だけ」という詩です。

畠山理夏さんの詩「君だけ」

 真新しい教科書
 体操服
 アイロンのかかったカッターシャツ
 使う人のいないテニスラケット
 玄関のバスケットボール

 あの日
 切られたリュックサックと肌着
 引きずられ血の付いたカッターシャツ
 割れたお弁当箱
 無傷の携帯
 図書館で初めて借りた本
 美術館で買ってやったお気に入りのメモ帳

 ここに
 大輝
 君だけがいない
 お母さんは
 君がいてくれるだけで
 良かったのに

▼高知県警 県民支援相談課 若藤奈美課長補佐「大切な人を亡くして、自身でも言葉では言い表せないくらいつらい気持ちで毎日過ごされている方々だが、それでも、『自分たちと同じようなつらい思いは誰にもしてほしくない』と、声をあげてくれている。一人一人がルールを守り、相手を思いやって、毎日を大切に過ごしてほしいと思い、開催した」

パネル展は高知市役所で、5月19日まで開かれたあと、2024年にかけて、県内5カ所で開催される予定です。