「海へのポイ捨て」ではない...ごみはどこからやってきたのか?

人口約20人。美しい島の一部に広がる光景。。。海を漂い、流れ着いたごみの発生源は「本土の陸地」なのです。

(山陽学園中学・高校 地歴部顧問 井上貴司教諭)
「手島の位置が、高梁川の河口の延長線上にありますので、特に高梁川から出てきたごみは、手島に漂着しているのでは」

地形や海流の影響で、ごみが集まりやすくなっている手島です。路上にあったものが雨などで川や水路を伝い、海まで流れ出る…。内陸に住んでいるからといって「ひとごと」ではないのです。

(山陽学園中学・高校 地歴部顧問 井上貴司教諭)
「岡山県は用水路が多いので、足元のごみが『用水路から川、川から海』につながっているのは事実だと思うので、私たちが出したごみが『海ごみになってしまっているかもしれない』という意識をもって生活してほしい」

山陽学園中学・高校の地歴部は、7年前から年4回ごみの回収をしていて、3月末にも活動をしたばかり。それでも新たに流れ着いたごみが堆積していくため、拾っても拾っても終わりが見えません。

(地歴部 岡崎華さん(高2))
「せっかく取ったのに、また本土から島へ流れ着いてきて、取っても取ってもまた次に来たときは増えての繰り返し」

山陽学園中学・高校の取り組みは、SDGs達成に向けた取り組みとして、国の内外で高く評価されています。プラスチックだけで年間800万トン出る世界の海ごみのうち、この島で回収できるのはごく一部。それでも「知ってもらう」ことに大きな意味があると考えているといいます。

(中国銀行 宮長雅人会長)
「どういう風に活動を広げていくか、ということが瀬戸内海の海ごみ問題の解決には必要だと思いますので、社会人である我々が高校生のなかに入ってみんなでやっていかないといけない」