性非行・暴力…過ちを繰り返さないために 行き場のない少年たちの出口支援

この日、粗暴行為を働いて保護室に入れられていた少年が、数日ぶりに自分の部屋に戻された。

坂田真朗 次長「部屋に備え付けられている、箒と塵取りを投げつけて壊してしまう」

ーーこういうことは日常的ですか?
「よくあることですね」

少年(暴行・器物損壊の17歳)は、これまで集団寮で生活していたが、人間関係のトラブルが多かったことなどから単独寮に移動させられた。それに不満を持ち、暴れたという。

少年院に入る前、児童養護施設で暮らしていた少年は、職員に暴力を振るうなどして1年前に収容された。出院の時期が過ぎても受け入れ先はなかったが、ようやく見つかった。受け入れ先となったのは、出院者などが共同生活するグループホームだ。
 
少年は自分の思い通りにならないと物にあたるなど、少年院でもたびたび問題を起こしてきた。まだ社会生活に不安はあるが、今後はここで職員のサポートを受けながら自立を目指す。

暴行・器物損壊 少年(17)「早く仕事もしたいし、ここで暮らしたい」

1週間後、少年は出院することになった。

暴行・器物損壊 少年(17)「二度と非行はせず真面目に生活することを誓約します」
工藤弘人 院長「君を支えて応援してくれる人は社会にもたくさんいるので、頑張って生活して下さい」

暴行・器物損壊 少年(17)「ありがとうございました。お世話になりました」

現在、少年は月曜から水曜はグループホームの法人が行う学習教室に通い、木曜から土曜は近くの畑で農業プログラムに参加している。非行をしない生活を続けることが当面の目標だ。

工藤弘人 院長
「それまでの成育、生活を見てると、生きるための術として非行をせざるを得なかった。社会の多くの方に理解していただき、包摂的に社会で受け入れていただいて、再び過ちを犯さないような環境作りも大事かなと思います」

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