性非行防止 「小さい子はすぐ忘れるから」 知的ハンデから反省進まない子も

こうした少年たちに対し、少年院ではどのような取り組みを行っているのか。
今回、そのプログラムの撮影が特別に許された。性に対する正しい知識を学ぶための「性非行防止指導」(全12回)。この日はまず、性被害に遭った人たちの声をまとめたVTRを視聴。

そのあとはテキストをもとに、自分の性非行に関する癖をチェックした。

指導にあたるのは4年目の平岡春香法務教官だ。

平岡春香 法務教官
「『風俗で働いている女性であれば、性的なことをしても大丈夫だ』までの間にチェックを打った人はいますか?結構いるね」

少年「過去の経験から女性が憎いっていうか、恨みとかあって。何で俺はこんな不幸なのに、あいつらだけキャッキャ楽しそうなんだ、うっとうしい」

さらに子どもに関する項目については・・・

平岡 法務教官
「(チェック項目の)『子供は優しくしてあげれば何をしても傷つくことはない』から『自分が小さいときに同じようなことがあったから、そういうことしても問題ない』の中でチェックを打った人はいますか」

『子供は小さいから何をされても分からない』などといった項目にも、多くの少年がチェックを入れていた。

平岡 法務教官「ちなみに何でそこチェックを打った?」
少年たち
「少しだったら忘れるんじゃないかって」
「小さい子はわかんないし。自分がしたことで相手はすぐ忘れるか、もしくは楽しくなるか、興味を持つかなって。そうなるかな」

後日、個別面接が行われた。

平岡 法務教官「いつぐらいからやりだしたのか覚えてる?」
少年「幼稚園の時に同級生の女の子が、急に触ってきたのかな」
平岡 法務教官「その時どう思ったの?」
少年「嫌でしたよ。だけど楽しかったから」
平岡 法務教官「何でさ、やろうって言う気持ちになるんだと思う?」
少年「止め方を知らないから」
平岡 法務教官「一瞬立ち止まる力をつけないといけない。今これしていいのかな、これやって怒られないか。今日ダメな日だなと気づいたら、気をつけようと思う、我慢できるようになるよ」

平岡 法務教官
「自分もそうだから他の子もそうだろうという感じで歪んでしまっている。まずは自分の考え方が人とは違うんだという理解から時間をかけています」

しかし知的なハンデを抱えていることから、自分の問題に向き合う力がなく、反省が進まない少年は多い。