「人のために役立てるように」現在は市役所で勤務 「人生のパートナー」との出会いも

 36歳になった山下さんはいま、伊丹市役所で働いています。周りの人に助けられた事故の経験から、人のために役立つ仕事を続けたい思いがあります。
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 今も両脚に麻痺があり、杖は手放せません。病院へも定期的に通っています。5年前から通いだした西宮協立脳神経外科病院では、3回の手術を経験しました。

   (医師)「自分で足が上がる?」
 (山下さん)「上がらない」
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 (西宮協立脳神経外科病院 木下光雄医師)
 「運動とか感覚の障害があるので、潰瘍ができて時間が経過すると皮膚がんになる恐れがある」

 1人で生きていくことも覚悟してきましたが、人生の出会いがありました。福祉の仕事で一緒になった奈央さん(39)です。「こんな自分に自然体で接してくれる」、5年の交際を経て結婚を決めました。式を前に、正直に伝えておきたい不安があります。

 (山下さん)「これから足が良くなるわけじゃないから、逆に言うと悪くなることしかなくて。ひざを痛めるとか傷口が悪化してがんになるとか。将来、また体力が落ちていくから、できることがどんどん減っていくとは思っていて」
 (奈央さん)「私も全く不安がないわけじゃないし。でも、それは考えても仕方ない心配やと思うから、一緒に頑張ってできたらいいかなって思っている」