『絶滅危惧種を守るということは繋がっている環境を全部守るということ』

 保全活動と並行して、生息状況についても調査を続けている北川さん。この日、研究室のメンバーと丹後地域を訪れていました。ただ、取材には条件が…。

 (北川忠生教授)
 「生息地は秘匿義務がありますので、場所が特定できるような撮影を控えていただきたいと思います」

 絶滅危惧種の中でも特にリスクの高い生物の調査・研究は環境省の許可が必要で、密漁を避けるため生息場所は口外してはいけないのです。
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 北川さんらが訪れたのは、タンゴスジシマドジョウが見つかった川の支流。2020年に一度、数十匹を発見したといいますが、それ以降は見つかっていない場所です。
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 ここで北川さんにヒットが。

 (北川忠生教授)
 「これは『オオシマドジョウ』という近縁種。すごく似ているんですけど違う種です」

 捕獲したのは「オオシマドジョウ」。ひげの長さなどで見分けるそうですが、見た目はよく似ています。タンゴスジシマドジョウが知られてこなかった原因とも言われています。その後も…。

 (北川忠生教授)
 「これもオオシマドジョウですね。…入った。オオシマですね」

 ここにはオオシマドジョウしかいませんでした。
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 場所を変えて粘ること数時間。と、その時!

 (北川忠生教授)
 「捕れた…。あ!捕れました。タンゴスジシマドジョウです。幻のドジョウですね。背中の丸い模様が細かくて、数が多く整然と並んでいます。サイズ的にも小ぶりな繁殖しているようなサイズが捕れたので安心しました。タンゴスジシマドジョウがいなくなるということは、たぶんこのドジョウと共有している生態系自体が崩れているので、もっといろんな生物がいなくなっていくと思うんですよね。これを守るということはいま繋がっている環境を全部守るということになる」