“不思議な縁”で広島に避難してきたウクライナ人一家がいます。生後8か月の赤ん坊を抱えての異国での生活が始まって1か月が過ぎました。一方、父の残る町にはクラスター爆弾が連日降り注いています。避難民一家の一番の望みとは。
■“赤ちゃんを守るため”ウクライナから広島に避難 軍医の父と離れ離れ

ビクトリア・カトリッチさん(23)と、母・タチアナさん(50)、娘・ソフィアちゃん(8か月)の一家。3月下旬、ウクライナ南部ミコライウから広島に避難してきました。
ビクトリアさんが避難を決断したのは、“ソフィアちゃんを守るため”。

一家が日本に到着した3日後、ミコライウではロシア軍による爆撃で州庁舎が破壊されました。さらに、殺傷力の高いクラスター爆弾が連日降り注ぐなど、今も民間人を巻き込む無差別攻撃が続いています。
ロシア軍の脅威にさらされ続けるミコライウ。
そこには、いまもビクトリアさんの父で医師のアナトリーさん(53)が残り、軍医として働いています。
ビクトリア・カトリッチさん
「毎日ニュースを見てとても心配をしています。そこに父が残っていますから」
国山ハセン
「連絡はとれていますか?」
母・タチアナさん
「夫から電話をかけてきます。でも空襲警報で連絡出来ないこともあります。私たちは電話を待つしかありません。大体夕方に電話がかかってきますが…」
涙をこぼすタチアナさん…。夫のアナトリーさんを思うと不安はつきません。