「我が家の方がたくさん納税しているのに」所得制限がもたらす悲しい現実
2023年3月21日に障害児福祉の所得制限に関するシンポジウムが開かれ、そのなかで一人の母親はこう話した。
「障害をもつ娘が小学校に入学したが、金額を気にせずに新品の補装具を使っている同級生に並んで、中古の補装具を使っている娘がいる。我が家の方がたくさん納税しているのに娘に我慢させて、かつ体に合わないものを使わせていて本当に悲しくなります」
この母親は、中古の座位保持装置を購入したが、中古品はオーダーメイドではないため、体にフィットしづらく、障害のある娘は度々装置からずり落ちそうになってしまうと話した。なかには、体に合わない中古品を使った結果、背骨が曲がる「側湾症」という二次障害が生じてしまう子までいるという。

また、当然ながら子どもは成長するため、障害児の補装具は成長に従って買い換えが必要だ。頻繁に高額を出して補装具を買わなければならない。そのため親に、こんなことを言う子どもも・・・
「大きくなってごめんね」
この子は、特別支援学級に通う11歳の女の子だ。シンポジウムに際し、自分の気持ちを手紙に記したという。手紙からは、所得制限のせいで親に負担を強いていることの苦しさがにじみ出ていた。以下にその全文を記す。
自分が大きくなったら車いすを買わなければいけません。たくさんのお金が必要で、お父さんが必死に働かなければいけないんです。自分だけ全部はらうのはどうしてだろう。仲間外れにしないでほしいです。総理大臣が「子どもは宝」と言っていました。私も同じ子どもなのに、どうして私だけ仲間外れにされてひどいことをされるのか不思議です。仲間外れはつらいから早くなくなってほしいです。
